東京工業大学教授の細野秀雄氏がまずその有力候補です。
超電導技術に革新的な技術を与えた人物です。
超電導は、銅や水銀などの金属を極めて低い温度まで冷やし、電気抵抗がゼロになった状態のことを言います。電気をよく通すので、電線などの素材に応用できれば、エネルギー損失のない送電が可能になる画期的な技術になるそうです。
また、埼玉県出身の古澤明氏も候補の一人です。完全な量子テレポーテーションを実現したと言われています。
さらに、強磁性半導体を開発した大野英男氏も高く評価されています。強磁性半導体は次世代磁気デバイスとして期待される「MRAM」への応用研究が進んでいます。
この他にもニュートリノ関係で有名になったスーパーカミオカンデ関連の受賞も視野に入っています。日本の物理学は世界の最先端と言えそうです。
太陽のような恒星の周りを回る惑星を初めて発見したミシェル・マイヨール(Michel Mayor)博士も有力と見られています。
というのも、最近のノーベル物理学賞は天文学系の受賞者が少ないので、順番的には天文学関係が受賞してもおかしくはないのだそう。
見えない暗黒物質をさぐるきっかけになったヴェラ・ルービン(Vera Rubin)博士の研究も見逃せません。暗黒物質と言えば聞いたこともあるのではないでしょうか。
新たな性質の物体を計算から提唱した「トポロジカル絶縁体」のチャールス・ケーン(Charles Kane)博士の功績も見逃せません。
このように、日本のみならず海外の研究者もノーベル賞主要候補として上がっています。
ノーベル物理学賞は天文学から量子力学に至るまで、本当に分野の広い賞になります。
ですから、「順番通り」に受賞しているような印象を与えます。今年が量子力学なら、次は天文学・・・といったように。
また受賞者候補も多いので、その候補者を消化する(?)だけに最大3人の受賞枠を目いっぱい使うことが多いのです。
2023年も3人の受賞者が生れることを予想しています。その中に1人にでも、日本人が選ばれる可能性は高いと言えます。