2019年のノーベル化学賞は、リチウムイオン電池(繰り返し何度も使える電池、電池が軽くて電圧が高いことも評価の一つ)の開発の研究の実績が評価され、日本人を含む3名が受賞しました。
吉野彰先生が受賞しました。共同受賞者はジョングッドイナフし、スタンレー・ウィティンハム氏です。
吉野先生の経歴は、エイ・ティーバッテリー技術開発担当部長、旭化成 イオン二次電池事業推進室・室長、同 吉野研究室・室長、リチウムイオン電池材料評価研究センター・理事長、名城大学大学院理工学研究科・教授などを歴任など。
2018年のノーベル化学賞は、フランシス・H・アーノルド、ジョージ・Pスミスとグレゴリー・P・ウィンターと共同で受賞しました。
酵素などの生命科学に関する業績が評価されました。
ファージディスプレイ法による抗体医薬開発に貢献したことが評価されています。
2017年のノーベル化学賞は、ジャック・ドゥボシェ氏、ヨアヒム・フランク氏、リチャード・ヘンダーソン氏が受賞しました。いずれも欧米の研究者です。
体の中にあるたんぱく質の分子を三次元構造で見ることができる、冷却電子顕微鏡(クライオ電子顕微鏡)の開発の業績が評価されました。
たんぱく質はその形や構造を見ることがとても重要ですが、今までの手法ではX線結晶構造解析でたんぱくを見ていました。しかし、これでは体の中にあるものそのままの状態を見れませんでした。
しかし、水がある状態で固まらせて電子顕微鏡で見る技術、これが冷却電子顕微鏡です。
たくさん写真を重ねることでCTスキャンのように3Dでたんぱく質を見ることができます(アニメーションとしても見ることができます)。
三人の研究者の功績は以下の通りです。
リチャード・ヘンダーソン先生の功績は、電子顕微鏡を使ってたんぱく質の三次元構造を見ることに成功したことです。そして、ヨアキム・フランクさんの功績は、
いきなりたんぱくを三次元で見るのではなく、連写してそれを重ね合わせることで三次元的にたんぱく質の形が見えるようになったことです。二次元を三次元にした功績が大きく評価されました。
ジャッカス教授の功績は、
-196度、液体窒素で固めて液体窒素で冷やしながらたんぱく質を見ることができ、そのおかげでいろいろな状態でたんぱく質を観察することができるようになったことです。
2016年のノーベル化学賞の受賞者は、アメリカのジェームス・フレーザー・ストッダート教授、フランスのジャン=ピエール・ソバージュ教授、オランダのバーナード・フェリンガ教授が受賞しました。
「分子マシーン」の設計及び合成に対する研究が評価され、受賞に至りました。