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ノーベル化学賞受賞者、田中耕一


田中耕一氏の功績

田中耕一さんは2002年、「生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発」によってノーベル化学賞を受賞しました。
田中さんは博士号を持った研究者ではなく、株式会社島津製作所に務めるサラリーマンでした。現役サラリーマンのノーベル賞受賞は前代未聞であり、43歳という若さでの功績に世間は驚きを隠せませんでした。また、田中さん自身も受賞の連絡がきた際に「ドッキリかと思った」と笑いながら語っています。
田中さんの研究はタンパク質に関するものでした。タンパク質は人間の体において非常に重要な役割を担っていますが、その構造は複雑で、研究者が長年研究を続けてきましたがなかなか詳細に分析することができませんでした。そんな中、田中さんが開発した「ソフトレーザー脱離法」という方法によって、高精度な質量の計測・詳細な立体構造の分析が可能になりました。この発見によって、タンパク質の異常によって人間に起こりうる病気の早期発見が可能に、またそれに伴う新薬の研究が発展しました。田中さんの発表は、かけがえのない生命を守るための大きな一歩となったのです。
また田中さんは、ノーベル賞受賞において、きっかけとなったのは薬品の中に薬品を落とすという失敗がきっかけだったと語っていたことや、受賞後も会社員として同じ会社に勤め続けていたり、とその謙虚な人柄もまた親しまれ、人々の記憶に残りました。

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