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ノーベル化学賞受賞者、下村侑


下村侑氏の功績

下村脩先生の研究内容は、オワンクラゲの体内からGFPと呼ばれる、紫外線を照射することで緑色に発光するタンパク質を発見し、さらに単離したことです。GFPを発見した当初、下村先生は役に立つ技術ではなさそうだと思っていたようですが、このGFPは世界の生命科学を飛躍的に進歩させることになりました。そこで、このGFPという物質がどのように活躍しているかを説明します。
私たち生物のからだは数多くの細胞から出来でいます。そして、細胞は数万種類ものタンパク質で構成されています。これらのタンパク質の働きに異常が起こることで、がんやアルツハイマー症候群など様々な病気を発症しますが、タンパク質の大きさは非常に小さく、肉眼はもとより光学顕微鏡を使っても観察するのは困難でした。しかし、これらのタンパク質に強い発光を示すGFPを組み込むことで、簡単に細胞の異常を確認することが出来るため、がんの転移の様子やアルツハイマー症候群によって脳の神経細胞が破壊されていく様子の観察などができるようになりました。
また、再生医療の分野で中心的役割を担う、新型のiPS細胞にもGFPは導入されているため、臓器移植などの研究でも活躍している技術だともいえます。

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