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ノーベル物理学賞受賞者、小林誠


小林誠氏の功績

小林誠さんは2008年にノーベル賞を受賞しました。
同時受賞は南部陽一郎さんと益川敏英さんです。

小林誠さんは「素粒子」に関する研究をしていて、「CP対称性の破れの起源の発見」(小林・益川理論)と呼ばれる理論を、
同じ名古屋大学出身の益川敏英さんとともに発表しました。

「CP対称性」の"C"とはプラスとマイナスの電荷のこと、"P"はパリティの頭文字で物理学上のある性質を保ったまま反転することです。

あるものを鏡に写した時に、写ったものが左右反転して見えます。
この鏡を写した時と同じように、ある物質に対し「CP変換」という操作を行うと、反対の性質を持った「反物質」ができるはずです。

ところが、一部の物質においては「対称性の破れ」、つまりCP変換をしても理屈通りに反対の物質ができない場合がありました。
それが何故なのかをまだ誰も説明できていませんでしたが、「小林・益川理論」では上手く説明できたのです。

では、小林誠さんと益川敏英さんはどうやって「CP対称性の破れ」を説明したのでしょうか。

クォークはその当時3つが見つかっていましたが、その3つだけでは「CP対称性の破れ」は説明できないことがわかっていました。
小林誠さんと益川敏英さんは、まだ見つかっていない他の3つのクォークの存在を仮定することで説明することに成功したのです。
そして、年を追うごとにその仮定の3つのクォークが少しずつ見つかっていきました。

私達が今存在しているのも世界に色んな物質が存在しているのも、この「CP対称性の破れ」が起こったからだと言われています。
小林誠さんたちが「CP対称性の破れ」の矛盾を解き明かしたことは、どうして世界に物質が存在できたのかを説明した、とても大きな業績なんですね。

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