ノーベル賞と言えば誰もが知っている、世界でもっとも有名で権威のある賞です。
しかし、そのノーベル賞でさえ、間違いはあります。選んでいるのは人間なので仕方がありません。
「人類の役に立つ研究や発見」に授与されるノーベル賞ですが、人類に全く役に立たなかった研究はあるのでしょうか。
ノーベル財団は、ノーベルの威厳が崩されることを極端に嫌います。ですから、賞の贈呈にあたっては細心の注意を払って選考します。
しかし、中には間違いもありました。本当に役に立たない研究に授与してしまうこともあったのです。
1926年、デンマークの病理学者であるヨハネス・フィゲルはノーベル医学生理学賞を受賞しました。
「がんの原因は寄生虫である」という、今から考えればありえないような内容での受賞でした。
当然、この研究結果は後に撤回されますが、フィゲルはこの事実を知らないまま亡くなりました。
研究内容が全く事実に反することが後で証明されてもノーベル賞の撤回ということにはなりませんでした。
因みに、ノーベル委員会は現在でもがんの研究に対しては非常に慎重で、受賞も難しいとのことです。この間違いに懲りたのかもしれません。